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余白の時間


都市を漂う放浪者の雑記
by cotton-sneaker2
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■静かに消滅した刻


筑紫哲也氏が亡くなった。
今日の夕方、何気なく眺めていたテレビのテロップに「筑紫哲也氏、死去」文字が流れた。
ハッとした。「大切な何かが、静かに“消滅”した」と即座に感じた。

テレビに彼が出てから20年余り、当初から日常生活の中にあり続けていた存在、考えるもなく普段に呼吸する空気のようなもの、だったのだろう。
それくらい、無条件に溶け込んでいた彼の存在と発言の数々…。
やがてそれは、見えなくなりスウーっと消滅した。

自分であり続けることを、忽せにしなかった彼の生き様。
ジャーナリストという枠組みを遙かに超えて、人様の在りよう、というものをいつも明快に示してくれた。
そのひとつは「知的文化」だった、と思う。

《私が驚かされたのは…「文化の位置」であった。…最大のものはその社会と人々の中に占める文化の比重だと私は思う。…もし私たちの国が滅びるとすれば主因もそこに帰する。》
※部分引用『筑紫哲也の「世・世・世」Ⅰ』沖縄タイムス社刊

世界が激動の渦中にある昨今(いや今や、人々の心の中では、すでに変化が始まっている)、瞬時にして徒手空拳たらざるを得なくなってしまいそうな自分がどこかにいることを、この消滅の瞬間に感じている。                   ■■■■
                                   ■■■■
静かなる消滅、静かに合掌。                      ■■■■   
by cotton-sneaker2 | 2008-11-08 02:01 | 雑記
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